銀ろう付け 厚物のろうつけ
うまくおさまりましたので、ご報告です。
銀ろう付け 厚物のろうつけの難しさ
薄物のガス溶接ではこれで間に合いますが、
厚物の溶接では全く役に立ちません。
銀ろう が溶ける温度を目視する
専門書にはろうが溶ける温度が
記載されていますが、
知識を得ていても
実際の現場では
あまり役に立ちません。
※現場では計測器があり
温度管理がされている
研究所ではないからです。
銀ろうが溶ける温度が
目視できるか出来ないかです ※人間の手作業の仕事です。
厚物の工業製品の銀ろう付けのご依頼
急ぎで納めなくてはいけない
あと3日で発注業者に納めなくては
いけない仕事のようです。
都内は 銀ろう付け 業者が壊滅的です
依頼者が3箇所も溶接屋さんに
お願いしに言っても
断られまくって、
私のもとに依頼がやってきました。
大きさは約50φの砲金の
フランジ 厚みは100くらいです。
V溝に銀ろうを流し込む
フランジをねじこんだかしょから
水漏れがしないように
V溝に銀ろうを流し込ませ
毛細管現象で銀ろうで水漏れが
しないようにする設計です。
銀ろう付け の方法論として
大物になると母材全体を温めるのに
大きな設備が必要です。
均一に暖まらないと
きれいに銀ろうが溶けてくれません。
1.大型の電気炉、もしくは熱した石炭の桶
2.大型のガスバーナー
3.母材が熱を帯びて銀ろうが
溶ける温度が目視できる職人
つまり厚物のろう付けでは
通常のガス設備では火力がたりません。
場合によっては1000度以上に
するために
酸素ガス、アセチレンガス、LPガスを
用いて熱価を高くする必要があります。
彫金用の設備やカセットガスボンベでは
全く役に立ちません。
LPガスのみでは1000度以上に達しません。
厚物 銀ろう付け の成功
今回は依頼者の熱意に負けて
作業いたしました。
おっしゃったので
酸素ガス、アセチレンガス
溶接器具全部お貸ししましたが、
1日経ってギブアップの
連絡がありました。
任された工場に出向くと
設備がたりません。
使用するガスボンベの
量もたりていません。
ろう付けするかしょを磨く 道具も
ありませんでしたので 持参致しました。
厚物の 銀ろう付け は熱量が肝心です
他の暖まっていないところに
熱が逃げてしまいます
熱が逃げているかしょに
ガスバーナーの火を当てても
ススが残り更に銀ろうが逃げてゆきます。
※ススが付くと銀ろうがつきません。
銀ろう付けができません。
金属の表面の焼けた赤みからでしか
銀ろうの溶ける適温がわかりません。
1.母材全体をあぶって金属の雑味(不純物)を取り除く
2.冷ましてから薬品で洗う
3.電気炉がない代わりにガスバーナーを
3方向から温め母材が冷めないようにする。
4.特種に加工したバーナーをしようする。
これでV溝 2/3に銀ろうを流し込むことに
成功しました。
※絶対に水漏れはおきません。
感謝されました。
厚物の工業製品の 銀ろう付け
母材全体の温度を
銀ろうの溶ける温度800cに保つ
通常のガス溶接器では
火力が弱いので
改造したガス溶接器をつかう。
薄物と厚物の 銀ろう付け の違い
2.金属の雑な汚れが上面に出てくるが、かんたんな磨きで取り除くことが出来る
3.小さいのでやり直しが容易である
2.母材を温めると金属の雑な汚れが表面に出てくる
3.薬品で金属の雑味を取り除かないと銀ロウが乗らない
※失敗すると最初からやりなおしになります。
普段の弊社の仕事では薄物の 銀ろう付け が多いです。
ススを取り除く 金属表面の汚れを取り除く
2.ガス溶接器の加減
熱すぎたら火を離す 弱かったら火を強くする
3.ろうが溶ける温度を金属表面の赤みから判断する
(これが一番重要です。)