【QCAD 製作 実例】オーダーメイドガス切断器の改造と設計 | ガス切断器 圧力調整器 コンプレッサー修理 東京都【藤井商店】

【QCAD 製作 実例】オーダーメイドガス切断器の改造と設計

QCAD 製作 実例 CAD

【QCADでの製作実例】

ガス切断機のカスタム設計と曲げ加工の難しさ

こんにちは! 今回は、ガス切断器のカスタム設計における実例を通して、
QCADを使った設計の重要性と、
ガス切断器の「曲げ加工」の難しさについて詳しく解説します。

作業現場に必要不可欠な道具であり、
特に産業現場ではその精度と使いやすさが求められます。

標準的なガス切断器では現場の多様なニーズに対応できないこともあります。
そんな時には必要なのが「オーダーメイド」での設計と製作です。

今回は、ぼくが実際にQCADを使ってガスを設計し
ぼくの指導のもと、お弟子さんとガス切断器を製作しました。

ガス切断器 CAD図面

ガス切断器 CAD図面

切断器の製作過程を紹介し、
その中でも特に難しい「曲げ加工」に焦点を当ててお話します。

オーダーメイドガス切断器

1. ガス切断器のカスタム設計が求められる理由

ガス切断器は、金属を高温の火炎で切断するための道具です。
酸素とアセチレンガスを組み合わせた炎を使い、
金属を溶かして切断します。

👇通常のガス切断器はこのような形をしています。👇

千代田精機 中型切断器NEO(火口3本付) 12MT-NEO

千代田精機 中型切断器NEO(火口3本付) 12MT-NEO

 

ただし、現場によっては、標準的な形状では
作業するときに、短い場合があります。

場合により、狭い作業スペースや、
特殊な金属形状に合わせて切断器を
調整する必要があることがあるのです。

このような現場のニーズに対応するためには、
ガス切断器をカスタム設計し、
オーダーメイドで製作することが求められます。

ガス切断器のカスタム設計は、形状変更だけでなく、
操作性や作業環境に合わせた
機能性を盛り込むことが求められます。

2. QCADを使った設計の流れ

カスタムガス切断器を設計する際には、
まずはお客様からのご要望をしっかりと聞き、
そのニーズに合わせた設計を行います。

ここが重要なのは、設計段階で
お客様の作業環境を詳細に把握する。

例えば、どのような場所で金属を切断するのか、作業スペースの広さ、
そしてどのような角度で切断器を操作する必要があるのか​​など、
厳密な要望を聞くことで、より正しい設計が可能にになります。

QCADは、2DのCAD設計ソフトウェアで、
特に部品の図面作成に適しています。

QCADを使うことで、非常に精密で正確な図面を作成でき、
設計通りに製作を進めることができます。

QCADで図面を作成し、その後、
実際に製作するQCADの最大の利点は
設計図を視覚的に確認できることです。

これにより、実際に製作に入る前に、
お客さまにどのように使われるか
具体的にイメージしてもらえることができ、
製作後のミスマッチを防ぐことができます。

3. 曲げ加工の難しさ – ガス切断器の製作での問題

さて、ガス切断器の設計が完了した後、実際の製作に入りますが、
その中でも特に難しい工程が「パイプの曲げ加工」です。

ガス切断器のパイプ部分は、
ただ直線的なパイプを使うわけではなく、
使用する際の操作性や作業効率を考慮して
角度や時間を想像しなければなりません。

オーダーメイド

パイプの温度管理

これは非常に繊細な作業で、
パイプを曲げるときにガス加熱器で
どこから熱をあてるのか
真鍮の熱した温度を把握するか?

パイプベンダーは当てになりません。
ガス加熱器の火加減で曲げてゆきます。

少しのミスが後の工程に大きな影響を与えます。

曲げ加工の際に最も重要なのは、
「どの角度で曲げるか」
「どのように熱をかけるか」
という点です。

ガス切断機の使用感は、角度一つで大きく変わるため、
精度が非常に重要です。

また、パイプを曲げる順番やタイミングが重要です。

先に曲げる部分と後から曲げる部分を間違えてしまい、
うまくパイプを組み合わせるができず、
最終的に製品が歪んだり、取付部に
合わなくなったりすることもあります。

曲げ加工は手動で行うことが多いため、
熟練者による精密な作業が求められます。

熟知していないとパイプが潰れるか、
折れることになります。

特に、QCADで作成した図面に基づいて、
角度や形状を再現するためには
難易度の高い技術が必要です。

4. 銀ろう付けと組立 – 精密な接合が求められる工程

曲げ加工が終わった後、次に付けるのが「銀ろう」です。
銀ろう付けは、金属同士を高温で接合する技術で、
接続部分に銀合金のろう材を流し込むことで
金属同士を強固にします。

これはガス切断器の耐久性を
確保するために必要な工程です。

銀ろう付けの際には、
温度管理やろう材の流し方に
細心の注意を払う必要があります。

特にガス切断器のように高温で使用される道具では、
ろう付けの精度がその後の耐久性に大きく影響します。

この手の銀付けろうの作業は、非常に繊細であり、
神経質な人間の感だよりです。

組み立ての際にも順序が重要です。
部品を切り落とすだけではなく、
どのパーツを先に取り付け、
どの順番で付けようか計画して作業を進めます。

これによって、スムーズな組み立て作業が
製品の完成度にあらわれてきます。

5. お客さまの「未来」を考えた設計と製作

下はぼくが過去に製作した事例です

中型切断器 器頭付け根から45度曲げ

付け根から45度曲げ

 

ガス切断器90°曲げ

ガス切断器90°曲げ

ガス切断器を製作する際には、
想定前のニーズに応えるだけでなく、
将来的にどのように使用されるか考えることが重要です。

どのような作業を行うのかをわかりやすく、
そのニーズに合わせて製品をカスタマイズします。

QCADで作成した設計図をお客さまに見せることで、
「完成後の使用イメージ」を具体的に持っていただけることができます。
これにより、完成品に対する安心感と信頼感を考えることができます。

お客さまの「未来」を見据えて設計を行うことで、
何気なく使い続けられる耐久性の高い製品を提供することができます。

QCADによる図面作成 / 「修理職人が語る、20年ぶりのCAD再挑戦記」

6. まとめ

あなたがQCADで描いた図面はお客さまへ未来を提示します。

今回は、QCADを使用したガス切断器のカスタムと、
特に難しい「曲げ加工」の部分に焦点を当ててお話ししました。

ガス切断器のカスタム製作には、
精密な設計と高度な技術が求められます。

特に、曲げ加工や銀付けろうの工程では、
熟練した技術者の手によって
高精度な製品が組み立てられます。

今回はQCADで製作した図面から製品を作り上げる
過程をお伝え致しました。


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