JUN-AIRコンプレッサー修理成功!高額医療用機器の故障診断から修理完了まで【修理実例3回目】
はじめに:60万円の高精度コンプレッサーとの向き合い方
JUN-AIRコンプレッサーをご存知でしょうか。
この医療用コンプレッサーは、その静音性と高い信頼性で知られる一方、
60万円を超える高額機器として、
故障時には修理業者も緊張する製品です。
今回、当工場では3回目となるJUN-AIRコンプレッサーの修理を成功させました。
これまでの修理経験を踏まえ、
この高精度機器の特徴と修理のポイントをご紹介します。
JUN-AIRコンプレッサーの特徴と用途
医療現場で選ばれる理由
JUN-AIRコンプレッサーが医療現場で重宝される理由は、その圧倒的な静音性にあります。
主な特徴:
- 単相100V対応で事務所環境にも適応
- 医療用途に特化した低騒音設計
- 高い圧縮効率と安定した圧力供給
- 豊富な仕様バリエーション
詳細な仕様については、大栄歯科産業様のサイトで確認できます。
過去の修理実績と故障パターン分析
修理成功率:3回中2回の成功実績
当工場でのJUN-AIRコンプレッサー修理実績:
【修理不可だった1回目】
- 故障原因: モーター焼き付き
- 原因詳細: オイル完全欠如(1滴も残っていない状態)
- 判断: スクロールコンプレッサーの特性上、修理不可
【修理成功した2回】
- 故障原因: スイッチ系統の不具合
- 修理方法: 順次診断による原因特定と部品交換
今回の修理実例:コンデンサーと圧力スイッチの複合故障
初期症状と診断
お客様からの症状報告:
- 運転途中で突然停止
- その後、全く動作しない状態
- オイルレベルは正常
故障診断のプロセス
Step 1: 基本点検
- オイル量確認 → 正常
- スイッチ動作確認 → 異常あり
Step 2: 詳細調査
- 発見: コンデンサーの膨張・亀裂を確認
- 対処: 手持ちの進相コンデンサーで仮修理 → 動作確認OK
Step 3: 圧力スイッチの問題
- 課題: 正規品は約10万円の高額部品(24気圧対応)
- 解決策: お客様との相談により10気圧仕様の汎用品で対応
技術的な難題:特殊配管への対応
最も困難だったのは配管の接続でした。
問題点:
- この世に存在しない特殊な配管仕様
- 既存のネジ規格に適合しない接続部
解決方法:
- 適合する配管部品の選定
- 圧縮機ホースのネジ規格を測定・割り出し
- 旋盤による精密加工
- 銀ろう付けによる確実な接合
この作業により、完璧な密閉性を確保できました。
コンプレッサー修理における電気系統の知識
リレーシーケンス理解の重要性
コンプレッサー修理では、メーカーが異なっても
電気的な基本原理は共通しています。
修理対応可能メーカー:
- イワタ
- 日立工機
- 明治機械
- 富士コンプレッサー
技術的ポイント:
- リレーシーケンスの理解が修理成功の鍵
- 配線図の読解能力
- 順次診断による原因の絞り込み
素人には困難な電気系統診断
電気系統の故障診断は、専門知識なしには非常に困難です。
誤った判断は、さらなる故障や安全上の問題を引き起こす可能性があります。
修理料金と調査費について
事前調査の重要性
調査代:3万円
高額機器の修理では、事前の詳細調査が不可欠です。この調査により:
- 修理可能性の判断
- 必要部品と修理費用の算出
- 作業リスクの評価
- お客様への適切な提案
調査だけでも高度な技術と細心の注意が必要なため、
調査代をいただいております。
今回は事前に3万円ほど頂いております。
まとめ:JUN-AIRコンプレッサー修理のポイント
修理成功の要因
- 豊富な修理経験 – 過去の事例を活かした効率的な診断
- 適切な代替部品選択 – コストとパフォーマンスのバランス
- 精密加工技術 – 特殊配管への柔軟な対応
- 電気系統の深い理解 – メーカー横断的な技術力
お客様へのアドバイス
定期メンテナンスの重要性:
- オイルレベルの定期点検
- 異音や振動の早期発見
- 専門業者による年次点検
JUN-AIRコンプレッサーのような高精度機器は、
適切なメンテナンスにより長期間の安定稼働が可能です。
故障の際は、経験豊富な専門業者への相談をお勧めします。
修理のご相談・お見積もりはお気軽にお問い合わせください
高額な医療用機器だからこそ、確実な技術と豊富な経験で対応いたします。
事前調査により、修理可能性と費用を明確にご提示いたします。
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