混合バルブを閉じたのに火がまだついている
突然 ガス溶接のバーナーを
使って【パチン!】爆発音が鳴り
恐怖を感じトラウマになった
こんな経験はありませんか?
色々な原因がありますが、
針弁とインジェクタについて解説いたします
いきなり針弁とインジェクタと言っても
分かりませんよね。
針弁とは
そのままニードルバルブのことです。
針で気体、液体を制御するものです。
インジェクタとは
噴射装置です。
針弁を出したり引っ込めたりして液体、気体の量を調節します。
ガス切断機の場合 混合バルブ周りに使用されています。
混合バルブ周りの部品
分解してみるとこのような感じになります。
特殊工具で外すと中にインジェクタが入っています。
特集工具がないと外すことができません
↓インジェクタ分解ツールの作り方↓
LP用とアセチレン用はインジェクタの穴の大きさが異なります。
以下の様子で、切断機内部で ねじ、ハンドルを回して
閉じたり開いたりして 炎を調整します。
分解してみて針弁を見てみると
針弁の傷がよくあります。
真鍮で出来ておりますので、強い逆火でも痛む部品です。
ハンドル ナット部分の部品も確認しましょう
この機種はねじの付け根に真鍮のワッシャー、
その後ろにOリングがついております。
※逆火、劣化などでOリングが痛んでくると漏れます。
切断器ごとにこの構造は異なります。
※すべて機種にこの構造が
当てはまらないことを良くご理解ください。
旋盤で傷が残らないところまで磨きます。
最後にインジェクタとのすり合わせをして完成です。
確認のために光明丹でインジェクタとの
当たりをみます
光っているところはインジェクタとの
当たりができているところです。
これで絶対に混合バルブからガスが
漏れることはありません。
まとめ
多くは取り扱いの癖が原因と思います。
以下をチェックしてみてください。
□ 漏れを気にするあまりバルブをきつく閉じていないか
□ 何度もパチン逆火を繰り返していないか
□ 終業後にエアを出して針の回りについているススを払っているか
これを注意するだけで大分長持ちすると思います。
余談ですが、先日整備でお預かりした年配の方の
ガス切断機を分解してみると
ほとんど傷らしい傷が見当たりませんでした。
聞くと15年使用していたそうです。
(一度も整備していないということです。)
ただ、非番の時に若手が使用したところ
逆火して吸い込み管の銀ろうが溶けておりました。
昔の全真鍮製、重たいヤマト製のガス切断機でしたが
製品の素晴らしさもさることながら
取り扱いの良さに感動いたしました。
きっとその職人さんは
良い仕事をしているのだと思いました。
今回はインジェクタと針弁の事を書きましたが、
漏れるという症状はここの箇所だけではありません。
高圧バルブ、ガスバルブも必要以上に力を入れて
閉めると傷になり漏れてきます。
本体の穴も傷つくことを忘れないでください。
最後に重要な事ですが、
一旦分解すると知識がないと元に戻せない
可能性がありますので、
分解しないことが大切です。
製品が新しいうちは交換部品のみで大丈夫なケースもあります。
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