ガス切断器の火口に掃除針を指しただけでは掃除になりません | コンプレッサー修理 オーダーメイド復刻部品製造 ガス切断器 修理 / 東京都 江戸川区 藤井商店

ガス切断器の火口完全ガイド|構造・選び方・メンテナンス|藤井商店

掃除針-サムネ ガス切断器

 

ガス切断器の火口完全ガイド

点検整備

🔥 修理のプロが解説する実演動画

こんにちは、藤井商店の藤井です。
今回は、ガス切断器にとって最も重要な
パーツの一つである「火口」について
詳しく解説いたします。

80年にわたってガス切断器の修理を
手がけてきた経験から、火口の構造、
選び方、メンテナンス方法まで、
初心者の方にもわかりやすく
お伝えします。

火口とは何か?

火口(ひぐち)は、ガス切断器の先端に
取り付ける消耗部品
で、酸素と燃焼ガス
(アセチレンやプロパン)を混合し、
高温の炎を生成する重要な役割を担います。

火口の基本構造

火口は主に以下の部品で構成されています:

  • 外管:予熱用ガスの通路
  • 内管:切断用酸素の通路
  • バックナット:火口を固定する部品
  • シート部:吹管との接合面
部品名 役割 重要なポイント
外管 予熱炎の形成 内管との隙間が炎の品質を決める
内管 切断酸素の噴射 穴の大きさで切断能力が変わる
バックナット 火口の固定 適切な締め付けが逆火防止に重要

火口の種類と選び方

切断器の種類による分類

火口は使用する切断器に合わせて
選ぶ必要があります:

切断器の種類 適用板厚 火口番号 ネジサイズ
中型切断器 3~30mm #1, #2, #3 W13.5×24山
A型切断器 3~80mm #1, #2, #3 W16×20山
B型切断器 10~150mm #1, #2, #3, #4 W18×20山
💡 プロのアドバイス
中型切断器では、3~10㎜は#1を、10~20㎜は#2を、
20~30㎜は#3を使用するのが基本です。

燃焼ガス別の火口

アセチレン用とプロパン用では
火口の構造が異なります
ので、
間違えないよう注意が必要です。

燃焼ガス 火口先端の形状 特徴
アセチレン用 梅鉢形(6つの小さな穴)
または蛇の目形(リング状)
高温炎が得られる
プロパン用 ギヤ(歯車)状のスリット
段差部分あり
予熱機構が必要
⚠️ 重要な注意事項
アセチレンガス用のガス切断器でプロパンガスを使用したり、
プロパンガス用のガス切断器でアセチレンガスを使用することは危険です。
必ず対応するガスと火口を使用してください。

👇ガス切断器の逆火完全ガイド👇
http://fujiisyoten.com/?p=56

火口の正しい取り付け方法

適切な火口の取り付けは安全作業の基本です。
以下の手順で行ってください:

取り付け手順

  1. 準備確認:火口と吹管取付けの当たり面に傷、異物、油が付いていないか確認
  2. バックナット調整:バックナットを本体六角部にあたるまで戻す
  3. 火口のねじ込み:火口を手で回らなくなるまで時計回りにねじ込む
  4. スパナで締付:火口本体六角部をスパナで締め付け
  5. バックナット締付:初回は1/2回転、二回目以降は1/4回転スパナで締め付け
⚠️ 締め付けの注意
バックナットを締め込みすぎると、逆火の原因になりますので注意が必要です。

火口のメンテナンス方法

日常的な清掃

使用を続けていると、火口先端がスパッタで詰まってしまう場合があります。
その際は以下の方法で清掃してください:

  • 掃除針の使用:掃除針でスパッタを除去
  • 内管と外管の隙間確認:良い火が出るポイントは「外管と内管の隙間の均一さ」
  • 優しい取り扱い:火口に衝撃を与えると隙間が片寄ります
💡 長持ちさせるコツ
切断器を優しく扱うことで火口を守り、作業性のUPにもなりますし、
火口の交換頻度も減りコストダウンにもなります

火口の交換時期

以下の症状が現れたら火口の交換を
検討してください:

症状 原因 対処法
炎がV字に割れる 外管と内管の隙間が不均一 火口交換
炎が短い・広がる 切断酸素穴にスパッタ付着 清掃または交換
着火しにくい 予熱穴の詰まり 清掃または交換
逆火が頻発 火口内部の損傷 即座に交換

よくあるトラブルと対処法

火口選択のミス

中古のガス切断器は初心者ではアセチレン用なのか
プロパン用なのか区別が付かない場合があります。
不明な場合は専門業者にご相談ください。

火口の価格について

最近はA切火口は値段が上がり1本1,000円近くになりました。
そのため、適切なメンテナンスで
長持ちさせることが重要です。

  • 品質と価格のバランス:高価な火口は火の延びが良く作業効率が良い
  • 偽造品に注意:あまりにも安い火口は火の延びが悪い
  • 認定品の選択:日本溶接協会認定品がおすすめ

藤井商店からのアドバイス

80年の修理経験から申し上げますと、
火口はガス切断器の心臓部とも
言える重要な部品です。

適切な選択と丁寧な取り扱いにより、
安全で効率的な作業が可能になります。
また、定期的なメンテナンスにより
火口の寿命を延ばすことができ、
コスト削減にもつながります

🔧 修理・相談承ります
ガス切断器や火口についてお困りのことがございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。
📞 03-3651-0672
✉️ おといあわせ:https://ws.formzu.net/fgen/S80296176/

まとめ

火口は消耗品ですが、正しい知識と
適切な取り扱いにより、その性能を
最大限に活用できます。

  • 使用する切断器とガスに適した火口を選ぶ
  • 正しい手順で取り付ける
  • 定期的な清掃とメンテナンスを行う
  • 交換時期を見極める
  • 優しい取り扱いで長持ちさせる

これらのポイントを押さえて、
安全で効率的なガス切断作業
行ってください。

 

google-site-verification: google32b22af9ea9b8a27.html