美容室のいすの修理
- 美容室のいすの修理 経緯
- 美容室のいすの修理 まずは症状の確認から始めました
- 美容室のいすの修理 故障の原因
- 美容室のいすの修理 中のコイルの組み合わせがくせ者です
- 美容室のいすの修理 本当の挑戦の始まり
- 美容室のいすの修理 分解
- 美容室のいすの修理 LINAK®ユニット詳細
- 美容室のいすの修理 手強いLINAK®
- 美容室のいすの修理 LINAK®…？初めて聞いた名前です
- 美容室のいすの修理 LINAK®の製品を特定する
- 美容室のいすの修理 美容院の椅子に使われているのは、 LA31シリーズ
- 美容室のいすの修理 ただ、ここで問題が発生しました。
- 美容室のいすの修理部品 eBayでの輸入
- 美容室のいすの修理 互換品の現物をまず手に入れる
- 美容室のいすの修理 電気の知識が役たつ場面
- 美容室のいすの修理 最終判断と今後の対応
- 美容室のいすの修理 部品到着予定日
- 美容室のいすの修理 到着しました！
- 美容室のいすの修理 難問課題
- 美容室のいすの修理 お客さまへのお詫び
- 美容室のいすの修理 現在の状態
- 美容室のいすの修理 LINAK®概要
- 美容室のいすの修理 LINAK®について調べた経緯
- 美容室のいす 実際の使用事例をリサーチ
美容室のいすの修理 経緯
ある日、一本の電話がかかってきました。
美容室からの依頼でした。
「お客さま用の電動椅子が動かなくなってしまって…修理をお願いできますか？」
オフィスチェアや医療用ベッドの修理経験は多少あったものの、
というか、あらゆる物の修理を経験してきました。
美容室の椅子は初めての挑戦でした。
現場に到着すると、そこにはドイツ製の高級美容椅子が待っていた。
2000年代の製品ということですが、
その品質の高さは一目瞭然。
こんな椅子でサービスを受けられるお客様は、
さぞ贅沢な気分になることだろう。
しかし考えてみれば今は2025年です。
少なくともこの製品が作られてから20年は経っています。
まず、椅子の下に取り付けられた電動ユニットを確認しました。
そこには国内メーカーのシールが貼られていて、
どうやら国産の機器のように思ったのです。
ですから、最初は「かんたんに出来るはず」と思っていました。
※おそらく販売代行業者のシールだったのかもしれません。
しかし、家に持ち帰り椅子を詳細に見た瞬間、
その考えが甘かったことに気づきました。
日本のおそらく輸入元のシールが
コントロールボックスのに貼られていたので、
国内製かと思いきや…？
「国内メーカーなら、部品も手に入りやすいし、修理もスムーズに進めよう」
そんな考えは頭から打ち砕かれました。
調べてみると、
その概略に関する情報がネット上にほとんどない。
美容室のいすの修理 まずは症状の確認から始めました
オーナーさんからは古い物とお聞きしましたが、
これは2000年代の物でした。
通常の国産のネイル用 スタイリングチェアは油圧で作動しますが、
この製品、いすは電動式です。
しかも24V！！
上下のフットスイッチを押すと「ぶぶぶぶ…」という音はするもの、
全く動かない。
この症状はすぐにモーターと基盤スイッチが
こわれている物だとわかりました。
美容室のいすの修理 故障の原因
故障の原因は、モーターの破損と
リレースイッチの故障でした。
基盤の接点、押釦スイッチが内部に2個有り
その接点の組み合わせON/OFFで上下の動きが決定されます。
ここのスプリングの位置が重要です。
ここのスプリングの位置が重要です。
ボタン付のリレースイッチです
美容室のいすの修理 中のコイルの組み合わせがくせ者です
組み立て時に散々苦労しましたが、
正規の位置にスプリングがセット出来ないと
上下の蓋の羽目あわせが出来ません。
その精度がミクロの世界です。
また配線の取り回しなど
3次元的な組み方がしてありました。
モーターはユニット内部からの外部への液漏れが有り、
モーター内の樹脂が経年劣化で溶け出している状態でした。
※信頼できない部品の状態です。
結局バラしたら最後中身が精密すぎて組み直せません。
おそらく清潔な工場内部で緻密な組み立てをしているのだと
確信しております。
ぼくは、初愚かなことに、
新たに輸入した物を分解して組み直しました。
仮組み状態で基盤の接点を押すと
動作状況が確認出来ました。
しかし、これでは正解ではありません、、、、
美容室のいすの修理 本当の挑戦の始まり
ここからが本当の挑戦の始まりでした。
開けたら最後、閉じることが出来ない構造です。
しかし、シールを剥がすと、ユニット部分（可動部分）
「LINAK®」という見慣れないブランド名を発見。
ChatGPTの力を借りて調べてみると、
これがデンマークの世界的な電動アクチュエータメーカーだとわかりました。
こんないすでサービスをされたらお客さんも大喜びでしょう！
これはドイツ製、医療用のいすとわかりました。
美容室のいすの修理 分解
ユニットがこわれているので、
外すところから手強い作業。
後ろのカバーから外しました。
チェーンブロックでいすを浮かせながら
シャフトを外します。
※シャフトはおそらくは1000分代近くの公差で
かなりきつめにセットアップされていました。
いすが汚れないように養生します。
シャフトとユニットを外したので
いすがぺしゃんこです。
美容室のいすの修理 LINAK®ユニット詳細
これがLINAK®ユニット本体です。
LINAK®
タイプ: JA 37
商品番号: 311G128-150-24-001 IP 66
製造日: AO-0252424
最大荷重: 4000N
定格電力: 24 V
デューティサイクル: 最大 10% 2分/時間
注意事項：絶対に分解しないで下さい。
要約すると
LINAK® ：デンマーク製
タイプ: JA 37
商品番号: 311G128-150-24-001 IP 66 ＊150mm伸縮のスパンがある。
製造日: AO-0252424
最大荷重: 4000N ：4000ニュートンの力がかけられます。またはかかります。
定格電力: 24 V ：日本は100Vですから変換のコンデンサが必要です。
デューティサイクル: 最大 10% 2分/時間
注意事項：絶対に分解しないで下さい。
（ぼくはここを甘く見ました。）
分解出来れば、何でも修理出来るというのが
ぼくの基礎知識、通説だったからです。
美容室のいすの修理 手強いLINAK®
この世の中には工場内でしか緻密に
組み立てられないと言う物があると言うことを
ここで、痛いほど知りました。
コンデンサー、モーターの位置、スプリングの位置
これらは寸分の1で緻密に組み立てられており、
一度分解すると組み付けが出来ないです。
※3次元的な方法でセットアップされています。
美容室のいすの修理 LINAK®…？初めて聞いた名前です
美容室のいすの修理LINAK® はデンマークに本社を置く企業
世界的に有名なナリニアアクチュエータメーカーです。
医療用ベッド、オフィスデスク、
農業機械、産業機械など、あらゆる分野で使われている。
美容室のいすの修理 LINAK®の製品を特定する
「まず、このユニットがどのモデルなのかを特定しないといけないな」
ぼくはLINAK®の公式サイトを調べて、本機と見比べながら、
美容院の椅子に使われている可能性の高い
リニアアクチュエータを探しました。
美容室のいすの修理 美容院の椅子に使われているのは、 LA31シリーズ
このシリーズは、医療機器や家具向けに設計された
電動アクチュエータで、静音性が高く、スムーズな動作が特徴です。
美容室のいすの修理 ただ、ここで問題が発生しました。
個人流通が簡単に入手できるわけではありません。
他にすぐに手に入る方法はないか？
美容室のいすの修理部品 eBayでの輸入
美容室のいすの修理 eBayという選択肢
そこで、僕は並行輸入品や中古パーツの流通ルートをひたすら行った。
海外のオークションサイトや通販サイトなら、
LINAK®のリニアアクチュエータが出品されている可能性があります。
特に気づいたのがeBayだった。
「LINAK LA31-U161-00」など、類似の候補で検索かけて、
数量の出品が多く引っかかりました。
しかし、
価格はぼくにとって安くありません、
注意深く購入を進めるしかありません。
ここで故意に意識しないといけないのは、
本当に互換性があるのかどうかです。
LINAK®のアクチュエータには様々な仕様があり、
ストローク長さ、電圧、コネクタの形状が違う場合、
使用できない可能性もあります。
美容室のいすの修理 互換品の現物をまず手に入れる
ChatGPTのサポートを活用
ぼくはここで、ChatGPTに相談することにしました。
「LINAK LA31-U161-00 は、LA31.2B-150-24-001と互換性がありますか？」
なお、ChatGPTは詳しく調べた上で、
ストローク長や最大荷重、電圧、
コネクタ形状の違いに注意すべきだと
アドバイスされました。
どれだけ外観が似ていても、
仕様が違ったら使えないこともあるのです。
美容室のいすの修理 電気の知識が役たつ場面
ぼくは三相200Vのコンプレッサーを扱って仕事もしていて、
電気の知識には熱心に取り組んでいます。
職業訓練校にも通い、
電気関連の講座を3年かけ、3つ受講してきました。
それは単に資格取得のためではなく、
実際に現場で応用できる知識を身につけるためです。
特に三相200Vの設備を扱うには、
電気の基本からしっかり理解していないと、
安全に作業できないのです。
この知識が、美容院の椅子の修理にも役立つことになりました。
LINAK®のアクチュエータは24Vの直流電源を使用することが多い。
故障の原因として、電圧不足や電源ユニットの不具合も考えられる。
単純に「モーターが動かない」と言われても、
その原因は配線なのか、基板なのか、
あるいはモーターそのものなのかを分けて進める必要があります。
美容室のいすの修理 最終判断と今後の対応
やっと1台見つけました！
eBayで見つけたLINAK®のアクチュエータの中で、
一番仕様に近いものを1台選び、慎重に修理作業をしました。
半分組み付けすると、動作は正常に動き
直ったー！
と喜んでいました、、、、が、、、
現物を見て分解して取付けたのが間違いと気づきました。
分解するなとは書いてありましたが、
分解して元に戻らなくなるケースが始めてあることが
わかりました。
工場内で精密に組み上げられた物は分解出来ないのです。
この1台は出来ないと言うことがわかっただけ進歩しましたが、
また1台探さないといけません。
輸入して入手して分解した
ユニットは使えなくなりました。
別の方法を考えなければなりません。
このての修理は、
輸入だと入手するまでに時間がかかるのです。
美容室のいすの修理 部品到着予定日
ぼくはなんとかe-bayで部品を見つけ注文しました。
空輸のため当初は2月19日に届く予定でしたが、
配達予定日 2月24日月曜日とe-bayの変更連絡が有りました。
ぼくは部品が到着する日に全力で修理取付をして、
いち早くお届けする予定です。
美容室のいすの修理 到着しました！
ぼくは美容室さんの修理のいすの部品を
心待ちにしておりました。
他の現場の修理をしておりましたが、
事務所に帰ってきたとき小包が届いていました。
これはまさしく輸入の小包！
中を見てみると、e-bayでやっと入札した部品が届いております。
美容室のいすの修理 難問課題
よくよく調べてみるとこの製品は縦向き用でした。
横向き用の治具をつくらなければなりません。
もう時間がありませんので横向き用の
治具を制作中です。
美容室のいすの修理 お客さまへのお詫び
理解が難しくコストが高いし
俗に言う神経質な修理だからです。
世間、企業では効率を求めるのでまずやらないでしょう。
ぼくはお客様に不当な利益を求めるつもりは一切ありませんが、
かかる経費とぼくの集中する時間のバランスが
とても大事です。
超過分はどうしてもご請求になります。
※部品自体高価でなおかつ海外からの輸送費も高価だからです。
まずは、LINAK®の調査から始まった修理プロジェクトは、
次のステップへと進んでいきました。
この小さい経験、ぼくはまた一つ、
新しい技術と知識を身につけることができました。
そして、美容院の椅子が再びスムーズに動く日が来るよう、
最後までを考えました。
修理は地味な仕事ですが、
部品は海外製ですから
早くやってきません、、、、
この記事はお客さまとの接点ですので、
進捗があり次第更新してゆきます。
美容室のいすの修理 現在の状態
現在の状態は下部、LINAK®アクチュエータ、本体をいすから外した状態です。
美容室のいすの修理 LINAK®概要
LINAK®
タイプ: JA 37
商品番号: 311G128-150-24-001 IP 66
製造日: AO-0252424
最大荷重:4000N
定格電力: 24 V
デューティサイクル: 最大 10 % 2 分/時間
注意: 権限のない人が開けないでください
警告: 不適切な使用は怪我の原因となる可能性があります。
使用前にLINAKに連絡して使用に関するアドバイスを受けてください。
美容室のいすの修理 LINAK®について調べた経緯
LINAK®アクチュエータの概要については
ChatGPTに手伝ってもらいました。
きっかけ：LINAK®製品との出会い
ぼくがLINAK®についてひたすらなことになったのは、
ある特定のリニアアクチュエータ製品に興味を持ったのがきっかけです。
機械部品に行くプロジェクトに近づいて際に、
クライアントから
「LINAK®製品の仕様を確認してほしい」という依頼を受けました。
その製品は、電動で精密な動作を行う関連リニアアクチュエータであり、
高い信頼性と耐久性で知られていると聞きました。
ぼく自身、それまでにLINAK®という名前は聞いたことがありませんでしたが、
「電動リニアアクチュエータ」という分野では有名なブランドであることを、
興味を持って調査を開始しました。
LINAK®のブランド背景の調査
調査を進める中で、まず注目したのはLINAK®の企業背景です。
LINAK®は1980年代にデンマークで設立され、
リニアアクチュエータ分野で革新的な技術を提供してきた企業です。
同社は「Making Movement Easy（動きを簡単に）」
というスローガンを選び、さまざまな産業に向けて
精密な電動モーション ソリューションを提供しています。
特に医療機器、オフィス家具、農業、産業用設備などの分野での
適用例が多く、広範囲で使用されていることが分かりました。
LINAK®製品ラインアップの調査
LINAK®が提供する製品には、多くの種類の
リニアアクチュエータが含まれています。
私が具体的に調べてみたのは、以下のような製品ラインです。
LAシリーズ:
医療機器や家具向けのリニアアクチュエータ。
特に「LA31」や「LA36」などは、
最大荷重が数千ニュートンに渡る高性能な製品で、
耐久性にも優れている点が特徴です。
デスク用ソリューション（DESKLINE®）：
スタンディングデスクやモニター昇降装置に使える製品。
電動でスムーズに動作し、静音性が高いため、オフィス環境に適しています。
医療用リニアアクチュエータ（MEDLINE® & CARELINE®） :
病院や介護施設で使用されるリニアアクチュエータ。
高い衛生基準を満たし、防水性能（IPX4～IPX6）を備えています。
機械農業向け（TECHLINE®） :
過酷な環境下での使用を想定した耐久性の高いアクチュエータ。
これらの製品の仕様を調べているうちに、
LINAK®製品の設計思想は
「効率的かつ快適な動作を実現する」ことにあると感じました。
美容室のいす 実際の使用事例をリサーチ
次に、LINAK®製品がどのように実際の現場で使用されているか調査しました。
医療機関や産業機械における導入事例を読んで、
LINAK®がモーションモーションソリューションを
提供するだけでなく、顧客の課題解決に
深くコミットしていることがわかりました。
例えば、ある病院では、患者用ベッドの高さ調整が
LINAK®のリニアアクチュエータによって自動化され、
患者と医療従事者の負担軽減に役立っています。
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